特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis
Ⅳ.各種疾患と出血
5.免疫学的疾患
斉藤 昌信
1
1埼玉医科大学・第1内科
pp.1357-1361
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915630
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
免疫と出血傾向について
免疫疾患における出血症状は,免疫過程と密接な関連を持った凝固,線溶,キニン,カリクレイン,血小板,及び血管系における反応性の病的変化として認められるが,それらの相互関係はなお十分明らかでない.それらの中で,補体系とは相互に密接な関係を持つことが明らかにされており,血小板傷害をはじめ,凝固系の活性化の促進とその消費などによる凝固障害を機転とした出血症状の発現も,重要な役割を果たしていることが知られている.
また凝固第Ⅷ,Ⅸ因子などに対する自己抗体による凝固阻止物質も出血に重要な因子である.凝固阻止物質は他の項目で扱われるので省略し,主要な免疫疾患における出血傾向の問題を中心にして,その病態と関連した臨床事項を述べることにする.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.