Japanese
English
特集 神経研究の方法論—その新らしいアプローチ
神経疾患の免疫学的接近
Immunological Approach to the Neurological Diseases
井形 昭弘
1
,
別府 宏圀
1
Akihiro Igata
1
,
Hirokuni Beppu
1
1東京大学医学部脳研究所神経内科
1Dept. of Neurology, Institute of Brain Research, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.519-533
発行日 1969年11月25日
Published Date 1969/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904624
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Ⅰ.緒言
神経疾患には現在なお発生病理が不明のまま残されているものが多く,従来の病理組織学的方法の他,生理学的,生化学的,遺伝学的方法などの種々の接近が近年新しく試みられている。その中の一つに免疫学的方法がある。また一方いくつかの原因不明の神経疾患を自己免疫性疾患として把えようとする試みも盛んで,発生病理の究明に新しい光を投げかけている。この分野は,全体として現在その緒についたばかりであるが,神経疾患の解明に新しい局面を拓いたものであり,今後多くの成果が期待されよう。ここでは自験のデータを混じえて,(1)免疫グロブリンと神経症状との関係,(2)実験的アレルギー性神経病の現状,(3)自己免疫機序が推定される神経疾患,について最近の問題点をそれぞれ論じてみたい。
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