特集 植込みデバイスによる不整脈・心不全の診断・治療はどう変貌したか-現状と将来の展望-
診る 心不全診療における遠隔モニタリング
中井 俊子
1
1日本大学 医学部内科学系先端不整脈治療学分野
キーワード:
テレメトリー
,
胸部X線診断
,
心不全
,
電気的除細動
,
植込み型除細動器
,
心臓再同期療法装置
Keyword:
Electric Countershock
,
Heart Failure
,
Telemetry
,
Radiography, Thoracic
,
Defibrillators, Implantable
,
Cardiac Resynchronization Therapy Devices
pp.128-134
発行日 2017年2月9日
Published Date 2017/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017130937
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遠隔モニタリングは1990年代に,世界で最初にBiotronik社より考案され, 2002年に欧米にて同システムの使用が認可された。わが国にも2009年代に導 入され,植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)・ 両室ペーシング機能付植込み型除細動器(cardiac resynchronization therapy defibrillator;CRT-D)などのhigh voltage device を中心に広く使用されてい る。当初,遠隔モニタリングの有用性は,受診回数や外来業務負担の軽減など, 医療従事者側のメリットに重点がおかれていた印象があった。このため,あまり 大きな関心が寄せられていなかったというのが正直なところである。しかし,近 年行われたIN-TIME試験1)において,遠隔モニタリングが心不全患者の生命予後 を改善したことが示され,全世界の注目を集めた。この結果を受けて,欧米のガ イドラインではペースメーカ・ICD/CRT-Dなどすべての植込みデバイス管理に おいて遠隔モニタリングを活用することがClass Iとして推奨され,わが国でも, 日本不整脈心電学会から遠隔モニタリングを推奨するステートメントが発表され た。特に心不全患者,致死的不整脈をもつ患者管理において,遠隔モニタリング は重要な役割を担っており,現在ではデバイス管理に欠かせないシステムとなっ ている。
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