今月の主題 赤血球の化学
技術解説
赤血球のサンプリング
佐々木 匡秀
1
,
土井 和子
2
1川崎医科大学・検査診断学
2川崎医療短期大学臨床検査科
pp.639-648
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915484
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現行の血清(漿)を中心とした臨床化学から脱却し,細胞成分分析化学のルーチン化を夢見て,赤血球内含有物質の簡易測定法を確立しようと,キャピラリーサンプリングシステムなるものを考案した1).
本システムの基本構想は一定量の赤血球を容易かつ正確に採量しようと,管径を等大に作製した合成樹脂製キャピラリーに血液を詰め,これを高速遠心し赤血球を石垣状に詰め(packed cell),一定間隔の幅に固定した2枚のカミソリの刃で赤血球層を切断し,一定量の赤血球層を溶血させようとするものである.併せて,だれでも簡単に測定できることを念頭に操作の簡略化に務め,本術式に必要な種々の小道具類を考案した.
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