臨床化学分析談話会より・70<関東支部>
新しい発想による診断法の開発を!—胆汁酸測定とその臨床的意義
仁科 甫啓
pp.703
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915143
- 有料閲覧
- 文献概要
第220回臨床化学分析談話会関東支部例会(1979.3.20)は東大薬学部記念講堂にて行われた."胆汁酸測定とその臨床的意義"と題して東北大薬学部後藤順一先生,筑波大大菅俊明先生に話題提供していただいた.
ステロイドのカテゴリーに属する胆汗酸は肝臓でコレステロールより生合成された後,主としてグリシンあるいはタウリン抱合体としてmg/dlの単位で胆汁中に排泄され,いわゆる腸肝循環により,その生合成が調節されている.一方,血中にはμg/ml単位でしか存在しないが,血中の胆汁酸濃度が肝機能と密接な関係にあることが最近明らかにされつつあり,生体中の胆汁酸測定が臨床の面からも脚光を浴びてきている.そこで,後藤先生には個々の胆汁酸の分離定量,特に現在提唱されてきているガスクロマトグラフィー(GC),ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー(GC-MS),高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの術式を実施するうえの利点,問題点について,文献を豊富に引用されて分かりやすく解説していただくとともに,先生ご自身のユニークな研究内容も披露していただいた.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.