資料
エンザバイルによる胆汁中胆汁酸の測定法の検討
桑野 脩子
1
,
柳沢 次郎
1
,
中山 文夫
1
1九州大学医学部第1外科
pp.813-815
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911921
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
胆汁酸は肝細胞でコレステロールより合成され,胆汁中に排泄される.腸管に排泄された胆汁酸は消化吸収の重要な働きに関与した後,その多くは門脈を経て肝に至り,再び胆汁中に排泄される.このように,肝を中心にして行われている胆汁酸の代謝異常は肝胆道疾患を反映する.したがって,生体試料中胆汁酸を測定することはその病態を明らかにするうえで意義のあるところであり,種々の測定法が用いられてきたが,いずれもかなり煩雑なきらいがあった.最近,第一化学薬品より可視部比色定量による血清中胆汁酸測定用のキット(エンザバイル)が開発された.われわれはこれを胆道閉塞解除後の胆汁中に排泄される胆汁酸を経日的に測定し,その肝機能回復のモニターに用いるために従来の蛍光部測定法(3α-HSD)との比較検討を行った.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.