今月の主題 組織検査の進歩
カラーグラフ
腎生検
荒川 正昭
1
1川崎医科大学・内科(腎臓部門)
pp.536-538
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915111
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腎生検による腎病変,殊に糸球体病変の診断は,糸球体腎炎(glomerulonephri-tis;GN),ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome;NS)の臨床に必須である.診断には光顕,電顕,螢光抗体法が用いられるが,光顕が基本かつ最も重要である.糸球体(glomerulus;Gl)病変は質的ならびに半定量的に評価する.GNはメサンジウム(mesangium;Mes)細胞及び基質の増加と定義されるが,その分布(focal,diffus esegmental,diffuse)と程度(mild,moderate,severe),更に硝子化Glを含む間質反応(parenchymal scarring)が問題となる.また,内皮細胞,基底膜(GBM),Bowman嚢上皮細胞の変化も注意しなければならない.NSではGBMの肥厚の型と分布(minimal change groupかmembranousnephropathyか)が大切で,またMes反応(proliferative GN)も重要である.
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