増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅱ.ベッドサイド検査の実際
腎生検
蓮井 良浩
1
Yoshihiro Hasui
1
1宮崎医科大学泌尿器科
pp.49-52
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904575
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1 はじめに
腎生検には経皮的腎生検と開放性腎生検があるが,1970年代後半にCTや超音波ガイドによる生検技術が実用化され,特に超音波ガイド下腎生検は穿刺針の位置を確認しながら安全にかつ確実に穿刺できることから,急速に普及したため,現在は開放性腎生検が行われることはほとんどなくなった。
超音波ガイド下腎生検法の普及により,汎発性腎疾患である腎炎の診断は安全にまた確実に行えるようになったが,限局性腎腫瘍性疾患に対しての腎生検を1980年代から行う施設がみられるようになった。さらに,自動穿刺装置を用いた生検がTru-Cut針を用いた生検に取ってかわり,瞬時に安全に,しかも正確に組織採取が行われるようになったため,腎腫瘍性疾患への腎生検の適応が拡大されたように思われる。しかし,腎腫瘍に対する生検の是非についての議論に決着はいまだついていないのが現状である1〜4)。
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