私のくふう
真空ポンプを利用した血清採取装置
中嶋 精一
1
1ニチヤク臨床検査センター
pp.965
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914862
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臨床検査においては血清分離は避けられない.またこれに伴うコンタミネーションも避けられない問題と思う.私たちの検査センターでは真空採血管使用による分離や,また駒込ピペットによる分離を行ってきた.
この場合2〜3本を交互に使用したり,水で洗浄し,できるだけコンタミ防止に努めてきたが,水での洗浄のための希釈の防止は避けられず,また採血量の多い血清の後に分離する少量の血清へのコンタミが問題になる.HB抗原のRI測定で,この血清コンタミが問題になったこともある.これの防止としてシュアーセップなどの血清分離剤の使用も考えられるが,採取血清量の問題やコスト面から採用し難い.また2〜5ml用の定量採取ピペットで分離を行い,その都度先端のチップを交換すればいいのだが,手間の問題がある.いろいろ方法を検討したうえで真空分離器を作製しコンタミの程度を比べてみたところ,比較にならないほどの良い成績をおさめた.少量採血検体の血清採取量アップ,また時間の短縮そして重要な検体と分離用スピッツのラインナンバーや氏名の照合の確認も確実にでき,より完全度が高まったと思える.
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