第6回樫田賞受賞論文・1【新連載】
尿中のγ-glutamyl transpeptidaseに関する研究
長 裕子
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部生化学検査科
pp.603-607
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914773
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尿中γ-glutamyl transpeptidase (以下γ-GTPと略)は他の尿中酵素に比べ高い活性を有し,正常尿では原尿のまま測定可能な酵素の一つである.γ-GTPは生体臓器では腎に最も豊富に分布し,組織化学的には特に近位尿細管の刷子縁に豊富に局在しているため,尿中に存在するγ-GTPは腎由来と報告されているが,必ずしも十分な裏付けはなされていない1,2).また腎疾患と尿中γ-GTPとの関連についての解析も余りなされていないうえ,正常値及び測定時の条件検討などもほとんど行われていない.筆者ら3,4)は尿中γ-GTPに関する研究を続けているが,本文では尿中γ-GTP測定の基礎的検討,正常値,そして尿中γ-GTPと病態との関連,及び尿中γ-GTPの由来について記述した.
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