技術解説
細菌の長期保存法
余 明順
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1大阪大学微生物病研究所菌株保存施設
pp.1538-1548
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914606
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細菌の形態,生理的性質,遺伝的性質を変えることなく長期間保存することは,細菌を用いた基礎的研究やその応用,あるいは病原微生物に関する研究を行うに当たってまず第一に留意しなければならない問題である.しかし一般に微生物はその世代時間が短く継代中に遺伝的な変異が起こりやすいので,なるべく長期間安定に保存できる方法を選ぶ必要がある.また細菌はその種類,性質により保存の容易なものから困難なものまで様々であり,それぞれに適した保存法を用いなければならない.長期保存の立場から従来用いられている継代培養保存法,軟カンテン法,流動パラフィン重層保存法などについては省略し,凍結及び乾燥法についてのみ以下に説明する.
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