技術解説
—JB-4・Methylmethacrylate・Divinylbenzene(JMD)包埋による—生検組織標本作製法
瀬野尾 章
1
,
渡辺 斉
1
,
土井 優子
1
1秋田大学第1病理
pp.1532-1537
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914605
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生検技術の進歩に伴い,生検材料の組織標本作製,特にパラフィン包埋薄切標本の作製は,多くの病理検査室において日常業務となりつつある.しかし,各種疾患における臓器組織の機能形態的変化をより客観的に把握し,これら疾患の正確な診断を行うためには,通常のパラフィン包埋薄切標本による光学顕微鏡(光顕)的検索のみならず,組織化学,酵素組織化学,免疫組織化学,電子顕微鏡(電顕)などによる検索が不可欠となる場合が少なくない.
さて実際に,量的に制限のある生検材料から,このような多岐にわたる検索を望む場合.それぞれの検索目的により固定,包埋を含む標本作製法も異なるため,常に材料の量的な問題が生じることになる.言い換えれば,1回の生検で上述の多目的的形態学的検索に必要なだけの材料を常に得られるとは限らず,また,頻回の材料採取は患者の病状や苦痛からみて決して望ましいこととは言いえない.つまり,生検材料のように資料に量的制限のある場合,1回の生検でしかも一ブロックを資として,先に述べた多目的的形態学的検索が同時に行えることが理想的である.
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