編集者への手紙
ペルオキシダーゼ染色について—2,7-フルオレンジアミン改良法
今村 博三
1
,
重松 武
1
,
黒田 吉男
1
1福岡大学病院臨床検査部
pp.1491
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914588
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ベンチジン規制後のペルオキシダーゼ染色については,各施設ともベンチジンに代わる染色法を模索している現状である.本誌7月号に日野志郎先生の「新しいペルオキシダーゼ染色法」3)についての諸法の解説が掲載されているが,より良い染色法を,各施設で研究されていることを知り心強く感じた.誌上で紹介された我々のフルオレンジアミン(FDA)改良法1,2)もその流れの一つとして改良を加えていきたいと考えている.
この改良法は弱陽性所見をより明瞭に染色する目的で考案したもので,日野先生のご指摘のごとく(本誌7月号及び原著2)を参照していただきたいが) pH7.3前後に最も良い染色良好域があり,硫酸アルミニウムの質によると考えられる.たまたま我々の入手した硫酸アルミニウムがこの染色法に適していたためか,少量でpH7.3に達した.添加する硫酸アルミニウムは入手ごとにpH7.3に達する量を知る必要があろう.またFDAを緩衝液に十分飽和させることも良い染色結果を得るコツであり,不十分であると良好な染色所見が得られない.飽和の際に温水中(約40℃,急ぐとき約50℃)で振盪しながら溶解させると容易に飽和液を得られるようである.
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