特集 小児の臨床検査
Ⅵ.緊急検査
C.痙攣,昏睡,麻痺
大矢 達男
1
1聖路加国際病院小児科
pp.1346-1350
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914569
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
痙攣,昏睡,麻痺を伴う疾患は,最も重篤かつ劇的な疾患で,時間,場所を問わず,救急疾患の最たるものである.生命及び後遺症にかかわるため,早期診断,早期治療のため適切な緊急検査が必要である.近年CTスキャンなど新しい検査が導入されたが,まだ緊急検査としては一般的でない.緊急検査に当たって,大切なことは,新しい検査でなく,従来からよく知られた検査にいかに習熟し,いかなる順序で行うかであり,神経学的検査法に習熟することである.小児として特に注意すべきことは,一般小児検査と同様,疾病経過が急変し迅速であること,検査技術が難しく修練がいること,患児の協力が得られず愛情と忍耐力を要することの他,成人に比して,疾病そのものがある年齢に偏るため,この知識なくして適切な検査をなしえない.したがってまず以下に痙攣,昏睡,麻痺を呈する疾患を概観し,それぞれについての検査について述べる.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.