特集 出血と止血
Ⅱ.各論
1.部位別の出血及び止血
f.口腔
堀口 申作
1
1東京医科歯科大学
pp.323-326
発行日 1961年4月20日
Published Date 1961/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202653
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口腔の出血を訴えて来診する患者は少くとも口腔外科の外来に於ては決して稀でなく,耳鼻科臨床における鼻出血よりも頻度の少いものではないといわれる。然し乍ら,口腔の出血は鼻腔の場合と異り,腫瘍等からの特別な出血,或は白血病,血友病等の全身疾患に原因する出血でない限り,比較的に観察も容易であり,従つてその様な意味では特別に止血に困難する場合は必ずしも多くはない。但しその病変,病状は非常に多様性があつて必ずしも診断が容易でないことは又一つの特長と言えるかも知れない。
口腔の出血を大別して局所の原因によるものと,全身的な原因によるものとにわけることが出来る。局所の原因によるものとは,炎症,腫瘍,外瘍などによるものであるが,何れにしても,血液成分や血管壁などに出血の原因をもたないものである。
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