特集 小児の臨床検査
Ⅲ.検体検査
G.薬物分析
味村 章生
1
,
戸谷 誠之
2
1国立小児病院薬剤科
2国立小児病院研究検査科
pp.1212-1213
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914542
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小児における薬物の代謝動態は成人における場合と多くの点で異なりがある.それは各器官,臓器の未熟性,代謝の特異性(例えばβ-glucuronidase活性が成人に比べて高く薬物の分解時間が短い),消化管の体の中で占める割合が大きいなどの理由による.更に,年齢,体重など多くの個体差がある.したがって小児薬用量を決めるには臨床薬理学の見地からの分析が有益となる.
しかし,現在の臨床検査室は臨床化学の領域では著しい進歩を遂げているが,臨床薬理検査という方面は欧米諸外国に比べて著しく立遅れている.本邦ではごく一部の施設で実験的に行われているにすぎない.更に,この種の検査室は小児でしばしばみられる薬物の誤飲,投与薬剤による急性中毒症の診断治療面にも大きな意義がある.
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