臨床化学分析談話会より・48<関東支部>
新しい分析技術の展望—固定化酵素の臨床検査への応用
戸谷 誠之
pp.835
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914438
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第201回分析談話会関東支部会(1977.4.21)は東大薬学部記念講堂において開催された.毎年4月の例会は参加者が多いが今回は講師のすばらしさも加わり会場は超満員となった.今期は新しい分析技術シリーズという企画で始まる.同日はその第1回として"固定化酵素の臨床検査への応用"と題し,その基礎的概念から応用面に関する内容が,味の素生物科学研究所の弓狩康三先生と京都大医学部教授の村地孝先生から話題提供された.
近年の酵素利用の進歩は酵素の持つ性質をその触媒機能を損なわずに変化させ,よりいっそう利用度を高めることを見いだした.例えば酵素は水に溶解した状態で基質との間の機能を果たす.しかしこの状態では1回の反応ごとに酵素を捨てることとなり,高価な酵素では経済効率も不良となる.そこで不溶性酵素または固定化酵素が合成された.
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