特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の検査
6.画像診断
3)サーモグラフィ
松岡 瑛
1
,
芝田 宏美
2
,
山下 勉
2
Akira MATSUOKA
1
,
Hiromi SHIBATA
2
,
Tsutomu YAMASHITA
2
1兵庫医科大学臨床病理学
2兵庫医科大学付属病院臨床検査部
pp.227-230
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903134
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はじめに
サーモグラフィ(熱画像)とは,生体面から放射される熱エネルギーを赤外線エネルギーとして感知測定し,得られる温度分布図を画像表示するもので1,2,3),画像表示された体表温分布図の差から,生体内の組織・代謝活性および循環動態などの変動を非侵襲的に検出する機能を有し,超音波・CTなどに代表される形態画像とは異なり,生理活性機能画像としての特徴を有する.生理活性機能は,安静時体表温のみならず,各種負荷試験(冷水・温水・運動・振動・薬剤)を行うことにより,生体の反応性を経時的に追跡し,潜在的な微細な変化をも捉えることが可能である.内在する因子の微細な変化4,5)は,特に四肢末梢で体表温の変動として容易に捉えられ,臨床上の応用が幅広く試みられているが,本文では主題に沿い,糖尿病を含めた動脈硬化性疾患による血管狭窄・塞栓などの末梢血流障害6,7)について記述する.
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