私のくふう
顕微蛍光測光装置による単一細胞ライソゾーム内pH測定の検討
庄野 正行
1
,
森口 博基
1
,
藤沢 謙次
1
,
宮本 博司
1
1徳島大学医学部総合研究室形態班
pp.808
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914021
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従来からライソゾーム内pHが酸性であることは,ほとんどのライソゾーム酵素の至適pHが酸性にあることから推察されてきた.以前には,ライソゾームにpH指示薬を取り込ませてその色調をもって確認されてきたが,この方法ではライソゾームへの蓄積度が低く,色調の変化が見にくいためライソゾーム内pHは3〜6といった幅広い報告がされていた.そこで感度良く,かつ正確に生細胞中でライソゾーム内のpHを測定する方法を開発する必要がある.多数の蛍光色素の中で,FITC(フルオレッセイン)はpHに依存して蛍光スペクトルの変化する数少ない物質の1つであり,しかもその範囲がpH 4〜8なのでライソゾーム内pHの測定には最適である.pH変化に伴って蛍光強度が変化するFITC溶液は450nmと495nmの蛍光強度の比により,pHの標準曲線が得られることは以前から知られており,この理論を基礎にして検討した.
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