今月の主題 臨床検査における標準物質
各論
イオン選択電極用標準物質
桑 克彦
1
Katsuhiko KUWA
1
1筑波大学医療技術短期大学部
キーワード:
ISE法
,
一次標準血清
,
常用標準血清
,
バイアス
,
不確かさの大きさ
Keyword:
ISE法
,
一次標準血清
,
常用標準血清
,
バイアス
,
不確かさの大きさ
pp.741-747
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914012
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イオン選択電極用標準物質としての組成標準物質は,Na,K,Cl濃度測定用としての標準血清が設定されている.イオン電極による測定は,電極特性から測定試料のマトリックスの影響を受ける.したがって,マトリックス効果のうえで,実試料との一致性が得られる試料が基準化される.標準血清は,実試料の代表となるプール血清の性状を確定し,化学分析の合理性に基づいて目的成分の標準値を決定したものである.
正確さの伝達は,基準法により値付けされた一次標準血清と,これを用いて検量する実用基準法により値付けされた常用標準血清による.いずれも技術的に妥当な手段を踏んで,公的機関において実施され,その内容は認証書をもって保証している.測定の精密さが維持されていれば,標準血清によって正確さを確保することができる.このことにより,測定値の機器間差や施設間差が是正できる.
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