特集 アイソザイム検査
II.各論
8 アミラーゼ
平沢 豊
1
,
竹内 正
2
Yutaka HlRASAWA
1
,
Tadashi TAKEUCHI
2
1東京女子医科大学臨床中央検査部
2東京女子医科大学消化器内科
pp.1272-1278
発行日 1988年10月30日
Published Date 1988/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913790
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はじめに
「ご飯を長く噛んでいるとしだいに甘くなる」,この事実は私たちのよく知っている現象である.これは,唾液中に多量に含まれるアミラーゼがデンプンを加水分解し,糖を産生したことによるものである.このように,アミラーゼはわれわれの目の中に存在し,しかも,その分解生成物を実際に舌で感じることのできる,きわめて身近な消化酵素である.
アミラーゼは唾液中だけでなく,膵液中にも多量に含まれる.唾液中で分解されずに残ったデンプン塊は,胃を通過した後に,十二指腸で膵液と混ざり,中和されると同時に再びアミラーゼによって分解を受け,糖となって腸管から吸収される.
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