編集者への手紙
染色体標本の作りかた—トリプシンを用いたG-分染法
西田 俊朗
1
,
涌井 敬子
1
,
山岸 彰
1
,
伊藤 武
1
,
稲葉 俊哉
2
,
山本 圭子
2
1埼玉県立小児医療センター臨床検査部
2埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科
pp.777
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913691
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はじめに
染色体分析は先天異常,奇形,精神遅滞の原因究明などに利用され,また白血病・悪性腫瘍においても核型異常と病型,予後との関係が明らかにされてきた.これらの染色体分析には,分染法として一般的にはG-分染法やQ-分染法が行われている.G-分染法においては,トリプシンの濃度,作用時間などが分染の成否を決めるキーポイントになるが,このトリプシンの取扱いは施設によりさまざまで一定しておらず,詳細に記載された文献は紺谷らの方法1)にすぎない.われわれは,凍結されたトリプシン液を37℃に一晩放置することによりその活性を低下させ,その後,冷蔵庫中で4℃に保存し,これを使用することにより,安定した成績を得ているので報告する.
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