今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義
病態解説
シアル酸測定の臨床的意義
上田 智
1
Satoshi UEDA
1
1川崎医科大学検査診断学教室
pp.178-180
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913579
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シアル酸(sialic acid)はノイラミン酸(neuraminic acid;水酸基,カルボニル基およびアミノ基を有するC原子9個のカルボン酸)の1群(約10種)のアセチル誘導体をまとめてあらわす名称である.この酸は唾液腺のムチンから抽出されたので唾液(saliva)を語源にしてsialicacidと呼ばれている.Ehrlichのアルデヒド試薬(ウロビリノーゲン検出用)で赤紫色を呈する.糖蛋白(glycoprotein)や糖脂質(glycolipid)の糖鎖の末端に存在し,カルボキシル基を遊離させている.そのためにこれらの物質に陰性荷電を与える.
酵素シアリダーゼにより糖蛋白や糖脂質からシアル酸は遊離する.
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