今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義
病態解説
気管支分泌液中の炎症マーカー
北村 諭
1
,
岩永 知秋
1
,
倉富 雄四郎
1
,
小川 研一
1
,
松岡 緑郎
1
Satoshi KITAMURA
1
,
Tomoaki IWANAGA
1
,
Yüshiro KURATOMI
1
,
Kenichi OGAWA
1
,
Rokuro MATSUOKA
1
1自治医科大学呼吸器内科学教室
pp.181-188
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913580
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正常人の気管支は1日で約100mlの分泌液を産生する.炎症やアレルギーのような病的状態では,この分泌液の量が増加するが,その機序はまだ十分には解明されていない.気管支分泌液中の炎症マーカーの測定には喀痰を用いることもあるが,喀痰の場合,唾液などが混入し定量上で問題がある.したがって,通常は気管支ファイバースコピー下に気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取して,その液性成分を測定する.今回は,TPA (tissue polypeptide antigen),CEA,ロイコトリエン,ヒスタミン,セロトニン,キニン,プロスタグランジンE2(PGE2),PGF2α,6—keto PGF1α,トロンボキサンB2(TXB2)などを測定し,その病態生理学的機序についても言及した.
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