今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義
病態解説
アミロイド蛋白と炎症—SAA蛋白を中心に
山田 俊幸
1
,
下条 文武
2
,
屋形 稔
1
Toshiyuki YAMADA
1
,
Fumitake GEJYO
2
,
Minoru YAKATA
1
1新潟大学医学部検査診断学教室
2新潟大学医学部第2内科学教室
pp.167-172
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913577
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全身性アミロイドーシスのうち,慢性炎症性疾患に続発するいわゆるAAタイプでは,組織に沈着する蛋白はAA蛋白である.血中でのAA蛋白の前駆体と考えられているSAAは,主にHDL分画にアポリポ蛋白として存在する.SAAは炎症疾患の活動期にはCRPを始めとするこれまでの急性期蛋白に比べ,より鋭敏な変動を示し,新しい炎症マーカーとして注目される.本稿ではSAAの蛋白としての基礎的側面に触れた後,SAA測定の臨床的意義について概述した.
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