今月の主題 人工知能と臨床検査
エキスパートシステム
抗菌薬選択支援システム—ANTICIPATOR
土屋 文人
1,2
Fumito TSUCHIYA
1,2
1前:東京大学医学部附属病院薬剤部
2現:自在研究所
pp.33-40
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913550
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コンピュータおよびその環境の発達にはめざましいものがあり,従来の"計算機"としての利用から,"情報提供機"としての利用というように変化しつつある.それに伴い,専門家と同じような判断のできるエキスパートシステムが開発されるようになってきた.この傾向は医療の世界においてもまったく同様である.
ANTICIPATORは,感染症診断後の適正な抗菌薬の選択を支援するために開発されたシステムである.現段階では,内科領域の感染症を対象としているが,本システムは抗菌薬の選択のほかに,投与量のコンサルテーション,副作用情報の検索,薬品情報参照などのサブシステムを有している.本稿では,これらのシステムの利用例を含めて紹介するとともに,エキスパートシステムの開発および実用化における問題点についても考察する.
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