今月の主題 人工知能と臨床検査
総説
神経回路の情報処理
永野 俊
1
Takashi NAGANO
1
1法政大学工学部経営工学科
pp.25-32
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913549
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現在のコンピュータとは本質的に異なる並列分散形の情報処理様式をもつ神経回路によってどのような情報処理機能が実現されているかを平易に解説する.まず,基本エレメントである神経細胞のモデル化と,その神経細胞モデルから成る基本神経回路の性質を示し,それらが種々の情報処理に役だつ基本的情報処理機能をもつことを示す.また,神経回路による情報処理の大きな特色の一つである学習・自己組織の手法について説明を行う.次に,現在のコンピュータが苦手としているパターン認識,連想記憶,問題解決,自然言語の理解などの種々の機能について,神経回路によりその実現が容易に行えることを,具体例をひいて説明する.神経回路網研究がおかれている現在の情況と今後の方向についても言及する.
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