特集 生検の進歩
I 臓器別生検
i 組織診
4 肝
志賀 淳治
1
,
伊藤 泰昭
2
,
寺野 彰
2
Junji SHIGA
1
,
Yasuaki ITOH
2
,
Akira TERANO
2
1東京大学医学部病理学教室
2中央鉄道病院消化器内科
pp.1191-1196
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913451
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採取法
1.針生検(needle biopsy)
肝生検の方法には,開腹手術によってメスで組織を直接採取する方法(wedge biopsy)と,皮膚の外から中空の針を挿入して採取する針生検(needle biopsy)の2種類があるが,手術侵襲を加えずに行える針生検の価値は大きい.肝臓は人体最大の臓器であり,生検によって得られる部分は全体の数万分の1にすぎないであろうが,肝病変は比較的瀰漫性の変化が多いので,その利用価値は大きく歴史も古い.すでに1883年ごろには行われていたといわれるが,1920年代にはかなり実用化しており1),その原理も針に注射筒を接続し,陰圧により組織を吸い出すもので,今日行われているものとほぼ同じであった.
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