特集 世界の病院医療の動向
エレクトロニクスの展望
三宅 浩之
1
1関東逓信病院電子応用医学研究室
pp.43-47
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206326
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病院医療とエレクトロニクスの関係は,大別して次の二面からみることができる.一つは,エレクトロニクスを手段として取り入れることによる病院内の医療行動を含む各種業務の変化についての問題であり,他の一つは病院内各種業務が取り入れたエレクトロニクス機器の保守管理の問題である.もちろん,これらに関連して工学面からは,提供しうる電子工学技術リソースの問題があろうし,病院医療経済画からは対費用効果の問題提起となり,医療担当者からは機器の信頼性と機能の限界の問題が起ってくる.
いろいろな議論があるにもかかわらず,日本の病院を含めて,世界の病院医療の中へ,電子機器の導入利用が急速に進みつつあるのが一般的な傾向で,これは外見的にはちょうど,わが国の家庭にカラーテレビ,電気冷蔵庫,電子レンジ,デジタル時計,ポケット電卓,その他各種の電子機器が普及してゆく状況と同様であるが,果たして内容的にも同様のものと考えることができるだろうか.まずこの点を明らかにするために,今春,東京で開催された第20回国際病院学会の第2分科会「医療サービスのための電子機器の利用」の各演者の論旨を紹介することから始めよう.
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