特集 先端技術と臨床検査
Ⅶモノクローナル抗体
1モノクローナル抗体による血液腫瘍性疾患の鑑別
飛内 賢正
1
,
関 茂樹
1
,
稲葉 敏
1
,
湊 啓輔
2
,
下山 正徳
2
Kensei TOBINAI
1
,
Shigeki SEKI
1
,
Satoshi INABA
1
,
Keisuko MINATO
2
,
Masanori SHIMOYAMA
2
1国立がんセンター内科,臨床検査部
2国立がんセンター内科,薬物療法部
pp.1362-1368
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913156
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●はじめに
造血器腫瘍は極めて多様性に富む腫瘍であり,腫瘍細胞の細胞起源を正常造血細胞の分化成熟との対比により明らかにすることは,その本態を明らかにし,病因を解明するうえで重要である.細胞起源の解析には免疫学的手法が不可欠である1)が,1975年KöhlerとMilsteinにより導入されたモノクローナル抗体(MoAb)作製法2)は,この分野に飛躍的な進展をもたらした.現在まで極めて多数のMoAbが報告されており,その有用性についての比較検討が重要と思われる.本論文では,国立がんセンターでの多数の臨床検体の検索結果に基づき,造血器腫瘍の免疫診断の現状を解説してみたい.
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