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資料
3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンによるペルオキシダーゼ染色法
Use of 3,3', 5,5'-Tetramethylbenzidine in the Blood Smear Peroxidase-Staining as a Chromogen
小穴 こず枝
1
,
野本 昭三
1
Kozue OANA
1
,
Shozo NOMOTO
1
1信州大学医療技術短期大学部
1School of Allied Medical Sciences Shinsyu Univ.
pp.1021-1024
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913069
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はじめに
急性白血病の鑑別診断のうえで血液塗抹標本のペルオキシダーゼ(以下,PODと略す)染色は,欠くことのできない検査の一つとして古くから用いられている.このPOD染色には,従来ベンジジンが色原体として利用されてきたが,ベンジジンに発癌性のあることが指摘され,すでに発売および使用が禁止されているため,ベンジジンに代わるものとしてジアミノベンジジン1),4-クロロー1-ナフトール2),3-アミノー9-エチルカルバゾール3)などの利用が報告されている.また,最近,国際血液標準化委員会により標準法が設定された4).
筆者らは,発癌性がないと認められている3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(以下,TMBと略す)5)をPOD染色に応用することを検討し,鮮明な青色陽性顆粒を得ることを認め,すでに報告した6,7).しかしその後,染色に用いる試薬のうちリン酸緩衝液を新しいロットナンバーのもので調整した時点からまったく陽性顆粒が得られなくなり,また,数施設から筆者らの処方と操作で染色を行ってもPOD陽性顆粒が得られないという問い合わせもあって,その原因解明の責任を強く感じさせられることになった.
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