Japanese
English
今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
AFP,PIVKA-Ⅱ—検査編
Recent progress of AFP and PIVKA-Ⅱ assays
及川 信次
1
,
堀内 裕次
1
,
池田 眞由美
1
,
菱沼 昭
2
1獨協医科大学病院臨床検査センター
2獨協医科大学感染制御・臨床検査医学講座
キーワード:
α-フェトプロテイン(AFP)
,
AFP-L3%
,
PIVKA-Ⅱ
,
肝細胞癌
,
肝癌の腫瘍マーカー
Keyword:
α-フェトプロテイン(AFP)
,
AFP-L3%
,
PIVKA-Ⅱ
,
肝細胞癌
,
肝癌の腫瘍マーカー
pp.602-609
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200351
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Point
●肝細胞癌における代表的である腫瘍マーカーα-フェトプロテイン(AFP)の測定法には,酵素免疫測定法(EIA法),化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法),化学発光免疫測定法(CLIA法),ラテックス免疫測定法(LIA法),電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)および液相濃縮免疫反応電気泳動法(LBA-EATA法)がある.同じくPIVKA-Ⅱには,EIA法,CLEIA法,ECLIA法およびLBA-EATA法がある.
●イムノアッセイ法は,マウスモノクローナル抗体,ウサギポリクローナル抗体およびヒツジポリクローナル抗体を使用するため,検体中にヒト抗マウス抗体(HAMA)などの異好抗体や自己抗体が存在すると,試薬の抗体と反応して正しい測定結果が得られないことがある.
●AFPは,認証標準物質(CRM)による測定値のトレーサビリティの確保がなされている項目であり,国際標準化,検査値の統一化において施設間差の是正・解消が進んでいる.PIVKA-Ⅱは,国際的標準物質がないため,今後,検査の標準化が課題である.
●LBA-EATA法は,マイクロチップを用いたLBA法とEATA法を組み合わせてイムノアッセイを全自動で行う測定法であり,試薬と検体の微量化,免疫反応の迅速化,高感度化を図った方法である.
●ビタミンK欠乏時に産生されるPIVKA-Ⅱと反応性の高いモノクローナル抗体が最近開発されているので,特異性の向上に期待したい.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.