資料
試験管固相法とダブル・モノクローナル抗体を用いたワンステップ・サンドイッチ法によるCEA・EIA法の検討
田端 省三
1
,
渡辺 久美子
1
,
金川 澄子
1
,
三好 由子
1
,
近藤 徹
1
,
古家 泉
1
,
秋條 範子
1
,
枇椰 せつ子
1
,
清見 千代子
1
,
合田 麻美
1
,
大川 二朗
1
,
指方 輝正
1
1兵庫県立成人病センター検査部
pp.1709-1713
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912812
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
CEA (癌胎児性抗原,carcinoembryonic antigen)の癌特異性抗原としての意義は失われたが,癌関連抗原として癌の治療効果や癌の再発の管理のために,腫瘍マーカーの中でももっとも広く用いられている1,2).
CEA分子は糖成分を50〜85%も持つ糖蛋白質であり,電気泳動ではβ領域に瀰漫(びまん)性に泳動される不均一な物質である1,2).また,CEAに共通な抗原決定基を持ついわゆる交差反応物質(nonspecific crossreacting antigens,以下NCAとする)が多数存在するために1,2),CEAをより特異的に認識するモノクローナル抗体に大きな期待がかけられている3〜5).最近わが国で入手できるEIA法によるCEA測定キットの大部分にモノクローナル抗体が用いられている(表1)6〜8).また,複数の腫瘍マーカーを組み合わせて測定するコンビネーションアッセイにより腫瘍マーカーの診断効率が向上することから,数多くの腫瘍マーカーを検査室で測定するようになり,検査室の仕事量が増加してイムノアッセイの自動化へのニードも高まりつつある.今回,固相および酵素標識抗体にモノクローナル抗体を用い,ポリスチレンボールの代わりにプラスチックチューブを固相として用いて洗浄,基質分注,分光測定,濃度換算の一連のステップの自動化を可能にしたEIAテストCER R(Boehringer Mannheim社)をルチーン検査に導入するために検討する機会があり,その基礎的および臨床的検討を行ったので報告する.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.