今月の主題 発光分析
技術解説
顕微蛍光測定法の手技
芦原 司
1
,
蒲池 正浩
1
,
楠崎 克之
2
,
藤本 高久
1
,
竹下 秀之
3
,
香川 恵造
4
,
諸富 直文
5
,
土橋 康成
1
Tsukasa ASHIHARA
1
,
Masahiro KAMACHI
1
,
Katsuyuki KUSUZAKI
2
,
Takahisa FUJIMOTO
1
,
Hideyuki TAKESHITA
3
,
Keizo KAGAWA
4
,
Naofumi MOROTOMI
5
,
Yasunari TSUCHIHASHI
1
1京都府立医科大学第一病理学教室
2京都府立医科大学整形外科学教室
3京都府立医科大学第一病理学教室・大学院
4京都府立医科大学第三内科教室
5滋賀医科大学外科・大学院
pp.117-123
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912487
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細胞蛍光測光法は,細胞内微量代謝物質の蛍光標識による高感度定量法として,最近では基礎・臨床医学,および生物学研究に広く利用されている.この手法のうち,フロー・サイトメトリーは高速な自動測光ができるため,細胞性格の臨床検査にも用いられているのに対し,落射型顕微蛍光測光法は細胞形態観察とオートラジオグラフィーを併用できるため,細胞動態をはじめとする測光解析の応用性が広い特徴がある.したがって後者の手法は,細胞の形態評価と密に関連した細胞測光解析を可能にするため,細胞学研究上の有用性が高く,定量的細胞病理学の一つの重要な研究手段と考えられる.このような背景で,この落射型顕微蛍光測光法に関する装置や技術の開発研究,ならびに癌,その他の病変に関する病理学などへの応用研究も,エネルギッシュに進められてきた.さらに現在,この技術を,自動化を図ることによって,臨床検査などの実用的細胞解析法に発展させる試みも行われており,また細胞の応用解析法そのものも,まだ端緒を開かれたところで,将来に大きな発展があると考えられる.この手法の現状を,技術に焦点を合わせて,カラーグラフとともに述べた.
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