特集 産業医学と臨床検査
Ⅰ.総論
4 臨床検査からみた作業管理
田中 勇武
1
Isamu TANAKA
1
1産業医科大学労働衛生工学教室
pp.1275-1278
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912349
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□はじめに
労働者が働いている作業環境中には,ガス,蒸気,粉塵,騒音,放射線,高熱,低温などの有害要因が存在している場合がしばしばある.これらの有害要因は,単独に,あるいは相互に関連しながら労働者の健康に影響を及ぼしている.さらにその影響は,同一作業においても個々人の作業のやりかたによって異なる.そこで,これらの有害要因の実態を的確に把握し,それに基づいて適切な作業管理を行う必要がある.また,有害要因のない作業環境においても,計器監視作業,キーパンチ作業,電子部品組み立てのような精密工作作業などのように,作業のやりかたによっては,健康に影響を及ぼす場合もある1).
臨床検査は,このような作業者の健康状態を定量的に把握するためには,もっとも適した検査であり,作業環境の管理,改善においていかに重要であるか,以下に述べてみたい.
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