資料
CA19-9測定の基礎的臨床的検討
桑原 正喜
1
,
有吉 寛
1
,
須知 泰山
1
,
太田 和雄
2
,
福島 雅典
2
1愛知県がんセンター臨床検査部
2愛知県がんセンター第二内科
pp.219-224
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912127
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はじめに
CA19-9は新しい腫瘍マーカーとして期待される糖鎖抗原1〜5)で,Koprowskiらにより作製された結腸直腸癌細胞に対するモノクローナル抗体を用いて測定される6).抗原決定基は,シアル化ラクト—N—フコペンタオースIIと同定されている7,8).
DelvillanoらはCA19-9のラジオイムノアッセイ系を開発し,その臨床的検討を行った結果,CA19-9がCEAとはまったく異なる消化器癌の腫瘍マーカーとして臨床上有用であること(膵癌に特異性が高いこと)を見いだしている9,10).われわれもこのキットを入手し,CA19-9が消化器癌とくに膵癌に有力な血中腫瘍マーカーであることを速報にて報告した11).
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