今月の主題 循環器〈生理検査〉
技術解説
超音波Doppler法による血行動態
北畠 顕
1
,
浅生 雅人
2
,
田内 潤
2
,
森田 利男
2
,
増山 理
3
,
伊藤 浩
3
,
井上 通敏
1
Akira KITABATAKE
1
,
Masato ASAO
2
,
Jun TANOUCHI
2
,
Toshio MORITA
2
,
Tohru MASUYAMA
3
,
Hiroshi ITO
3
,
Michitoshi INOUE
1
1大阪大学医学部第一内科
2大阪大学大学院医学研究科
3大阪大学医学部内科
pp.356-363
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911842
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心臓・血管内の血流計測は,循環系におけるもっとも基本的な診断要素の一つである.しかし,臨床においては適切な血流計測法を欠き,血行動態の面から病態を把握することは少なかった.超音波Dop-pler(ドプラ)法は体表から非侵襲的に心臓・血管系の血流を計測しうるため,循環系における重要な検査法となりつつある.
超音波Doppler法は送信超音波の性質により連続波Doppler法と変調波Doppler法に大別され,両者で得られる生理学的情報は多少異なる.連続波Doppler法は主に末梢循環計測に用いられる1).一方,変調波Doppler法は心臓・大血管での血流計測に用いられる.本稿では紙数の制約から,変調波Doppler法のうち,特に最近急速に臨床応用がなされつつある超音波パルス変調Doppler法(超音波パルスDoppler法)について,臨床成績を中心として概説する.
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