Japanese
English
資料
長期間IgM型の抗E抗体を保有していると推定された二症例
Two Cases Who Was Supposed to Have IgM Anti-E Antibody a Long Term
古坊 孝志
1
,
松崎 廣子
1
,
田中 景子
1
,
宮沢 郁夫
1
,
西 真弘
1
,
原 訓子
1
,
田村 昇
2
Takashi FURUBO
1
,
Hiroko MATSUZAKI
1
,
Keiko TANAKA
1
,
Ikuo MIYAZAWA
1
,
Masahiro NISHI
1
,
Noriko HARA
1
,
Noboru TAMURA
2
1東京警察病院中央検査第一部
2筑波大学基礎医学系
1Central Clinical Laboratories, Tokyo Metropolitan Police Hospital
2The University of Tsukuba, Institute for Basic Medical Science
pp.207-211
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911801
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
日本人では,抗D抗体よりも抗E抗体がより多く検出されている.東大病院輸血部の資料によれば,一般患者における抗E抗体の検出率は抗D抗体のそれの約5倍である1).これは,日本人においてはE因子陽性の頻度が約50%で,陽性と陰性の頻度の差がないためにE因子の不適合が生じやすいこと,さらに免疫原性もD因子に次いで強いこと,などによるものと考えられている2)。
一般に,Rh因子に対する抗体は輸血や妊娠により産生される免疫抗体であり,その大部分はIgGクラスの抗体で不完全抗体として検出されている.今回われわれは,IgMクラスの抗E抗体を長期にわたり保有していると推定できた二つの症例を見いだしたので報告する.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.