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酵素免疫測定法によるAFP測定キットの基礎的検討
岸 孝彦
1
,
河合 ゆかり
1
,
井上 正晴
1
,
浅沼 春樹
1
1愛知医科大学付属病院中央検査部
pp.212-214
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911802
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α-フェトプロテイン(AFP)は1956年,Bergstrandら1)によって胎児血から発見され,1963年Tatari-nov2)が肝癌患者の血清中に出現することを認めて以来,広く追試験検討され,この胎児特異蛋白と肝細胞癌との密接な関係が明確となった.また最近は,肝炎,肝硬変3),チロシン血症4),妊娠5)などでも血清AFP値が上昇することが知られ,これの測定が診断に際して意義のあるものとなっている.
従来,AFP測定には免疫学的手法が用いられており,その中で高感度で信頼性が高いのがRIAであるが,EIAはそれに匹敵する感度を持ち,さらに放射性物質を使用しないためその取り扱いも簡便で,一般の検査室で問題なく測定することができ,注目されている.今回,筆者らは富士臓器製薬㈱が新しく開発したAFP測定用EIAキット「イムザインAFP」を使用する機会を得たので,その結果を報告する.
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