今月の主題 プロスタグランジン
技術解説
シクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼの活性測定法
吉本 谷博
1
Tanihiro YOSHIMOTO
1
1徳島大学医学部生化学教室
pp.152-156
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911794
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アラキドン酸カスケードで種々の生理活性物質が生合成される場合に,最初にアラキドン酸の特定の炭素に分子状酸素が導入される.この反応はいわゆる酸素添加反応で,リポキシゲナーゼという酵素によって触媒され,アラキドン酸のどの位置に酸素分子を添加するかによって,酵素が分類されている.脂肪酸シクロオキシゲナーゼ(11,15—リポキシゲナーゼ)は,プロスタグランジン(PG)やトロンボキサン(TX)の生合成の初発反応を触媒し,生体内に広く分布している.最近になって,5—,12—,15—リポキシゲナーゼの生体内での存在が確認され,ロイコトリエン(LT)と呼ばれる一群の生理活性物質が生合成され,アレルギー反応や生体防御機構に深く関与していることが示されている.臨床的にも,血小板のシクロオキシゲナーゼ1)やリポキシゲナーゼ2,3)の欠損症の症例も報告されている.本稿では,このように臨床的にも重要な意味を持っているリポキシゲナーゼの活性測定法について解説する.
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