今月の主題 生体内の酸化と還元
技術解説
スーパーオキシドの測定法
中野 稔
1
,
木村 博一
2
Minoru NAKANO
1
,
Hirokazu KIMURA
2
1群馬大学医療技術短期大学部
2群馬県立小児医療センター
キーワード:
スーパーオキシド
,
ウミホタル・ルシフェリン誘導体
,
化学発光法
,
O2—産生能
,
XOD単位
Keyword:
スーパーオキシド
,
ウミホタル・ルシフェリン誘導体
,
化学発光法
,
O2—産生能
,
XOD単位
pp.256-261
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913926
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スーパーオキシド(O2—)は,水中での寿命が短く,現段階ではin vitroの系での測定法に限られている.本稿では,酵素反応または生体物質の自動酸化などによって生じるO2—の測定法を①化学・生化学的方法,②物理的方法に大別して記載した.
化学・生化学的方法は,特定の有機化合物または酵素を用い,それに対するO2—の還元力あるいは酸化力を利用したもので,測定に用いる機器はスペクトロフォトメータである.一方,物理的方法では,O2—が不対電子をもつことを利用したESR (電子スピン共鳴)スペクトロメトリーと,O2—と特異的に反応して発光する化学物質を用い,系からの発光を光検出器を用いて測定する.これらの方法のうち,最も敏感で,しかも特異性が高いO2—の測定法は,ウミホタル・ルシフェリン誘導体(MCLA,CLA)を用いる化学発光法である.
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