分離分析の技術Ⅰ・11
スラブ式SDS-PAGE—分子量測定とペプチドマップについて
五十嵐 富三男
1
,
中山 年正
1
Fumio IGARASHI
1
,
Toshimasa NAKAYAMA
1
1虎の門病院生化学科
pp.1508-1515
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911722
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はじめに
従来分子量を決定する手段としては分子篩を利用するゲル濾過,ゲル電気泳動法また分析用超遠心機を用いる沈降平衡,沈降速度法などが代表的であったがいずれも①熟練を要する,②時間がかかる,③精度が悪い,など欠点を持っていた.SDS*1)—PAGE*2)は原理的には分子篩を利用しており,1967年Shapiroら1)により蛋白質の分子量推定に簡便であることが指摘され,さらに1969年Weberら2)は分子量既知の37種類の蛋白質(ポリペプチド鎖)にこの方法を適用し,信頼性の高い値を得られることを報告した.このSDS—PAGEは①簡便である,②微量試料でよい,③分解能が優れている,④蛋白質の純度検定に良い,など多くの利点を持っている.これらはSDSが強力な界面活性剤であり,ほとんどすべての蛋白質を溶解させる性質を利用している.
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