負荷機能検査・34
コントラスト心エコー法
村山 憲
1
,
羽里 信種
2
Ken MURAYAMA
1
,
Nobutane HAZATO
2
1順天堂大学医学部内科(循環器)
2越谷市立病院循環器内科
pp.1172-1180
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911670
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今日,心臓超音波検査が非観血的検査法として心疾患の診断に必要不可欠であることは,衆目の一致するところであろう.しかし,この検査法は心構造や心機能を知るうえで,非常にメリットが多いものの,心血管造影のように心血管内腔の血流情報をとらえることは,不可能である.コントラスト心エコー法は,この血流に関する情報をもたらし,これによって心臓超音波検査の臨床上の応用範囲が広がり,診断能力の面においても一段とその信頼性が高まってきている.
コントラスト心エコー法は,Gramiakらによって初めて報告されたが,当初はMモード法(UCG法)による記録であったため限られた範囲内での応用にすぎなかった.しかし近年,心動態の実時間観察が可能である心臓超音波断層法(two-dimensional echocardiography;以下2-D echo)の発達・普及によって,コントラスト心エコー法の応用範囲が著しく増加し,心内短絡や弁の閉鎖不全による異常血流の同定,またMモード法と併用することで心内腔の正確な測定や血流速度を推定することが可能となり,諸種心疾患に幅広く使用されるようになってきている.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.