今月の主題 循環器〈生理検査〉
技術解説
心筋梗塞患者の運動負荷試験
五味渕 秀幸
1
,
南谷 和利
2
,
羽里 信種
3
Hideyuki GOMIBUCHI
1
,
Kazutosi MINAMITANI
2
,
Nobutane HAZATO
3
1順天堂大学医学部内科(循環器)
2順天堂大学体育学部スポーツ医学教室
3越谷市立病院循環器内科
pp.364-372
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911843
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循環器疾患,特に急性心筋梗塞で入院した患者における運動負荷試験は,社会復帰に備えた運動療法を行っていく過程で,心機能の評価あるいはトレーニング効果の判定上に不可欠な検査である.一般的にはMaster二階段負荷試験,トレッドミル運動負荷試験あるいは自転車エルゴメーター運動負荷試験を用いることが多い.
心筋梗塞の急性期は床上安静が原則であるが,その後,自・他覚症状が安定した回復期からは逐次運動負荷試験を行い,運動許容範囲を決めて身体調整を進めていく.試験の際には過負荷徴候の出現に注意すべきである.退院後も復職の準備のため,さらに強く,持続の長い労作が要求されるので,本負荷試験による定期的な運動能力のチェックは行われるべきである.
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