今月の主題 尿の臨床検査
技術解説
尿の採取と保存
谷内 孝次
1
,
白川 卓
1
Koji TANIUCHI
1
,
Taku SHIRAKAWA
1
1神戸大学医学部附属病院中央検査部
pp.1004-1012
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911638
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
尿検査は古典的な検査法であるが,今日でも診断や治療評価の面でなお重要な位置を占めている.その理由は,検体として採取が容易で侵襲が少なく,尿検査が鋭敏に身体の変化を反映するために疾病の初期の状態でも異常情報を提供してくれることにある.最近では尿専用の分析機器・試薬が発売され分析方法・精度は以前と比較にならないほど向上した.しかし材料である尿についてみれば,これほど質的・量的に変動の著しい検体は糞便,喀痰などを除いてほかにみられない.このため採取・保存はできるだけオーソドックスに行うことがたいせつになる.尿の採取・保存手技は患者の協力,理解による部分が多く,検査成績を有益なものとするためにも採取法を十分説明する必要がある.本稿においてはもっとも標準的と思われる採尿手技を紹介し,あわせて保存方法,変動因子について述べることとする.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.