検査ファイル
HLAのDNA検査法
徳永 勝士
1
,
十字 猛夫
1
1日本赤十字中央血液センター
pp.235
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901834
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[1]HLA遺伝子の多型
HLA抗原系は臓器移植のおけるドナーとレシピエントの適合性を決定する最も重要な抗原システムであり,主要組織適合複合体(major histocompatibility complex;MHC)と呼ばれる.HLA遺伝子群は機能を持つ遺伝子としては最高度の多型性を示す.クラスⅠで最も多型性の富むHLA-B座では約100種類,クラスⅡで最も多型性に富むDRB1座でも約80種の対立遺伝子がこれまでの見つかっており,その数は年々増加している.
目を配列レベルの転じても際だった特徴を持っている.270ほどの塩基対から成る第2エクソンの中で多型を示す部位が60か所近くあり,しかもそれらの塩基置換の半数以上がアミノ酸の置換をもたらす(非同義置換が同義置換より多い).そのうえ,特の変異に富む部分がいくつかの限定される点も興味深い.例えばHLA-DRB1の場合,変異が特に集中する領域が3か所存在する.
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