今月の主題 輸血
技術解説
血球保存法
隅田 幸男
1,2
1国立福岡中央病院心臓血管外科
2北里大学
pp.1432-1443
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911408
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血球には赤血球,白血球,血小板の三つがある.骨髄も加えることがあるが,一般的には前三者のことである.本稿の比重もその辺に置いて述べてみたい.ただ,本誌の主眼が臨床検査であるため,著者が述べようとしている輸血を目的とした血球保存法では,読者は不満足ではないかと思われる.臨床検査に必要な血球保存法を述べるとすれば,各血液型の赤血球を抗体同定に必要な量だけ細かく分けて,液状あるいは凍結して保存する方法(表1)とか,HLA検査の殺細胞試験プレートの小孔に各種抗原型のリンパ球を入れて凍結保存しておき,必要なときに抗血清のスクリーニングとか,抗体の同定に使用できる方法とか,感作血球を凍結保存する方法とかがいちばん良いのだろうと思うのだが,残念ながらこれらのいずれもまだまだこれからの研究課題である.したがって本稿はあくまで輸血用血球の保存法のうち,本邦の血液製剤基準に定められている赤血球の保存法を中心に述べ,その他の血球に関しては現況を概観しておくにとどめた.
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