特集 臨床神経生理学的検査の進歩
Ⅰ 脳波
11.データ処理と臨床応用
1)動的脳波活動の解析
佐藤 謙助
1
1交通医学研究財団;筑水会神経情報研究所
pp.1286-1293
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911389
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1."刺激・生体系(活動特性)・応答"関係
ヒトや高等動物は地球上に生存するが,地球以外の太陽系の惑星にはみられない.つまり,地球上の彼等の"外的環境"の諸情況の多くは"内的環境"(生体内部)の諸情況を正常状態に保ちやすくしているが,これから逸脱させるものも少なくない.それでも,逸脱し始めると引き戻す動的平衡がみられる.これは"内的環境の恒常性(ホメオスタシス)"と呼ばれる生命活動の基本的特性の一つである1〜4).
彼等はこの「恒常性」を保ちながら体温,体液の組成,体液循環,姿勢と運動,外分泌と内分泌,消化吸収,排泄,発育,生殖,その他に関する無数の生命"活動現象"を過去から現在,そして未来へと死ぬ直前まで起こし続ける.それで,外的環境の情況が"刺激"(入力)となり,その"応答"(出力)として内的環境,つまり"生体系"(個体,系統,器官,組織,細胞,その他)の生命活動を裏書する"活動現象"を外的環境に起こし出す"刺激・生体系(活動(特)性)・応答"関係が見られる1〜4).(図1上)
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