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はじめに
脳波の視察で正常あるいは異常な脳の活動を推察するには,まず,脳波曲線で隣り合う二つの山頂(谷底)の間の時間の逆数で揺らぎの頻度(周波数)を,隣り合う山頂と谷底(谷底と山頂)でその大きさ(振幅)を推定する。したがって,揺らぎ曲線のいくつかの頂点(極大値)と谷底(極小値)の2種類の特殊な点だけに注目するだけで,脳の働きについて相当な情報がえられている17)。しかし,さらに多くの点の値を,揺らぎの中心を通る基線からの変位として,適当な時間間隔ごとに求め,これらの値の時系列に置き換えてみる。そして,種種の間隔(遅延時間)の二つの値の組を作り,それらの二つの値の積の平均をとると脳波の平均時間経過を与える自己共分散(自己相関)となり,さらに多くの情報がえられる17)。これを高次化すると自己回帰過程24)がえられ,より多くの,しかも複雑な脳の活動機構が求められることになる。
Some physiological significances of mono- and multidimensional autoregressive processes were described and these processes were applied to sways in EEG of man and cat. It was shown in EEG of a patient with cerebral bleeding that the autoregressive power spectrum of EEG (Fig. 4) had a far more smooth and regular frequency pattern than the spectra calculated by Fourier transform processed with Hanning window (Fig. 3. ).
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