特集 日常臨床検査法
Ⅱ.化学
6.負荷試験
竹内 正
1
1東京女子医大・消化器病早期癌センター
pp.1438-1442
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908797
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生体に物理的・化学的負荷を加えてそれに対する反応をみることにより,負荷を与えない状態では得られない情報を得る検査法を負荷試験と言っている.ある場合には刺激試験でもある.ごく手近な例をあげれば,心電図検査で,安静時には正常心電図であったものが,運動負荷によって異常心電図が現れて冠状動脈の不全が診断されるなどで理解されるであろう.また生化学検査の領域では,ブドウ糖負荷試験が代表例として適当であろう.空腹時血糖が正常または異常値の患者に経口的にブドウ糖を飲ませ,経時的に血糖を測定することによって,その最高血糖や血糖曲線から糖尿病であるかどうか,またその程度を知りうる.このように負荷前では得られない細かい情報を得ることができる.
次に生体に化学物質を与えて,生体がそれを除去する作用をみることによって,ある臓器の機能をみるのも一種の負荷試験と考えられる.たとえば肝機能検査のBSP,ICG負荷試験,腎機能検査のPSP試験などがこれである.
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